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技術職員ニュース

発行:統括技術センター広報担当 松浦

   vol.0045(2024.7.1) 

こんにちは! 統括技術センター広報担当の松浦です!

本日お昼にH3ロケットの打ち上げが成功し、地球観測衛星だいち4号が予定通りの軌道に投入されましたね!
果てのない宇宙空間に一人放り出されることの寂しさは想像に難くなく…と思いきや
内閣府の資料によると2022年だけでも、世界で打ち上げられた人工物体の数は2,300を超えるそうです。
それ以前もそれ以降も続々と打ち上げられていたとすれば、地球の周りは思いのほかにぎわっているのかもしれません。

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さて、今回は、愛知県瀬戸市のあいちシンクロトロン光センター(あいちSR)という分析施設を訪ねました。
実は名古屋大学はあいちSRの運営に協力していて、現在は、計測・制御技術支援室の技術職員が4名派遣されているのです。

あいちSRでの分析は、「シンクロトロン光」という太陽光の100万倍の明るさの光を利用します。
施設の中央の蓄積リング内には光速に近い速度に加速された電子が蓄積されており、この電子が曲がる際に発生するのが、シンクロトロン光です。
シンクロトロン光は蓄積リングの周囲に12か所ある「ビームライン」に取り出され、
特定のエネルギーの光を切り出したり集光や整形をしたりといった加工が行われた後に、末端の分析装置に導入され、様々な分析に利用されます。

技術職員の陰地さんが担当されているのは、BL6N1というビームラインです。

BL6N1では、シンクロトロン光の切り出しに「二結晶分光器」と呼ばれる装置を使用します。
取材時に陰地さんは、この装置の更新作業を振り返り、通常業務と並行して行った真空配管の真空度の計算や設計が大変だったと話してくださりました。
なんとか納期内に装置を導入できたときは、協力してくださった同僚の方々に感謝するとともに
装置の更新によって性能の上がった設備にユーザーが喜んでくれ、とても嬉しく感じたそうです。

BL6N1のビームラインを知れるポスター(あいちシンクロトロン光センター/第12回あいちシンクロトロン光センター成果発表会 P15)
https://www.aichisr.jp/content/files/kousyukai/2023/presen12/3-15_BL6N1.pdf

私には馴染みのない大きな施設だったため、はじめは少々尻込みしてしまいましたが、施設の方々は来客に慣れておられ、わかりやすい解説に助かりました。
施設内の他の技術職員の方も次回以降、順にご紹介させていただきます。

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統括技術センターWEBサイトでは、技術職員の皆さんの日々のご活躍を紹介しております。
先日、タイはSilpakorn大学の教授・学生が、名大東山キャンパスの共用設備・機器のご見学に訪れました。
下記URLでご紹介しています。ぜひご覧ください。

https://www.tech.thers.ac.jp/silpakorn_univ_20240617/

次回は、何の数を共有できるでしょうか。
お楽しみに♪

   vol.0045(2024.7.1)